SNS 少女たちの10日間

(監督:パーラ・ハルボヴァー、ヴィート・クルサーク/2020年)

 

子育て中の人は、絶対に見た方がいい。子どもを取り巻くインターネット社会の闇の深さに、頭を抱えてしまった。
12歳に見える大人の女優を3人起用し、SNSを介して彼女たちにアプローチしてくる男性とのやりとりをつぶさに記録した、チェコのドキュメンタリー「SNS 少女たちの10日間」。
「私は12歳だけど、大丈夫?」「年齢なんて関係ないよ。そんなことより、服を脱いでくれる?」
ビデオ通話で交わされる会話は、これくらいならマシな方。彼らは何のためらいもなく、自分の性器を映したり、自慰行為を見せつけてくる。12歳の少女にだ。
通話を切っても、性器の写真やポルノ動画を送ってきたり、裸の写真を送るよう執拗にメッセージを送ってくる。
とんでもないクソ野郎どもが、次から次へと釣れるのだ。その数、10日間で2458人。専門家によると、彼らのような児童性犯罪者の多くは、小児愛者ではないという。ただ、明らかな年齢差や体格差を利用して優位に立ち、性欲を満たすことだけを考えている自分勝手な異常者なのだ。
映画は、チャットやビデオ通話だけでは飽き足らず、性交渉目的で直接会おうとする輩の企みにも乗っかって、カフェにカメラを仕込んでの撮影を試みている。さらには、監督自らある男性に突撃インタビューをするところまで映している。
恐ろしいのは、突撃された奴は子どもを対象にしたキャンプを企画する会社を運営していることだ。あぁ気持ち悪い。どいつもこいつも、普段は何食わぬ顔をして働き、裏では幼気な少女たちを相手に、好き勝手やっているだ。
今まさに、電車の隣に座っている奴とか、コンビニで前に並んだ奴とか、普通の仮面を被った下衆野郎かもしれないのだ。もはや、誰を信用すれば良いのやら。
エンディングでは、保護者に対してこんなメッセージが流れた。「子どものWEBの閲覧を制限するだけでは十分ではありません。お子さんとしっかり話をしてください」。
いやこれ、ほんと、その通りで、大切な子どもが、イカれたクズどもの餌食にならないように何ができるのか、親はちゃんと考えて子どもと向き合わなくちゃダメ。世の中、やばい奴が、思ってる以上に多過ぎる。
この映画をきっかけに、チェコの警察が捜査に動き出したという。ゲロクズ人間どもが、正当な裁きを受けますように。そして、全員、地獄に落ちろ。