2020年4月スタートドラマ Part1

2020年3月30日~4月6日に第1話が放送されたものの中から、いくつか。
2話以降、観るべきか否かの判定を、星の数で表しています。MAX星3つ。かなり主観が強い文章ですが、だってただの私の感想だもの。悪しからず。


▶月~金曜 8:00~ NHK総合
NHK連続テレビ小説「エール」 ☆☆☆(3)

 

朝ドラというものを、私はこれまで一度も見たことがなかった。まったく興味がなかった。でも、主人公を窪田正孝くんが演じるということを知り、これは見た方がいいかな…と心に変化が。
そんな私に決定的な出来事が起こった。それは、親愛なる森山直太朗の朝ドラ出演の知らせ!マジか。これは見ないわけにはいかないでしょう。私が見ないで誰が見るの?ということで、直太朗の朝ドラデビューと共に、私の朝ドラデビューも決まったのである。

 

詳細は公式WEBサイトで見てほしいのだが、ざっくり言うと、類まれなる音楽の才能で数々のヒット曲を生み出す作曲家・古山裕一の生涯を描いた物語。序盤は幼少期のストーリーなので、窪田くんではなく子役が裕一を演じているのだが、その子がかわいいったらありゃしない。
で、彼の音楽の才能を見出す重要な役どころ・藤堂先生役に直太朗!昔、キムタクの月9ドラマ「HERO」にゲスト出演した時は、お世辞にも上手とは言えず、大丈夫かしらと心配だったのだが、今回、すごくいい。誠実で優しく、芯のある先生で、すっかり藤堂先生ファンになってしまった。すでに私は藤堂先生ロスを心配している。

 

初めて朝ドラを見た者として驚いたのが、ナレーションの多さ。え、こんなに説明必要?っていうくらい。理解力の低い層への配慮なのだろうか。そして、なぜ毎回15分しかやらないのかしらね?っていうのが、素朴な疑問。15分を半年間じゃなくて、30分を3カ月ではダメなのか?朝はみんな忙しいから?誰か知っている人がいたら教えて。


まぁとにかく、だまされたと思って、直太朗の藤堂先生を見てほしい。好きになっちゃうよ、絶対。


▶月曜 24:55~ フジテレビ 
「地獄のガールフレンド」☆☆(2)

 

昨年秋にFODで配信されていたドラマ。評判が良かったため地上波放送することになったらしい。同名のマンガが原作。主演は加藤ローサ。8年ぶりのドラマ出演なんだとか。なんか懐かしいなぁ。


5歳の子どもがいるシングルマザー(加藤ローサ)と、不倫で付き合っていた元カレを6年間も忘れられないOL(武田梨奈)が、「同居人募集」の貼り紙を見て、とある一軒家に訪れる。そして、その家の主である、片づけられない女(桜井ユキ)と、シェアハウスをして暮らし始める…というのが初回のストーリー。

 

2004年、ゼクシィのCMに出演すると、そのキュートさでたちまち話題沸騰になった加藤ローサ。そんな彼女ももう34歳。久しぶりに見たら、当時の輝きが半減していて、月日の流れの恐ろしさを感じた。
疲れたシングルマザーの役だから、あえてメイクも薄くしてあるし、基本的に表情も暗いから、そう見えてしまうのかな。これから生気を取り戻して、キラキラしたローサが見られることに期待。

 

物語としては、同じクラスにいたら絶対に友だちにならなさそうな、全くキャラクターの異なる3人の女性が一緒に暮らすという設定が、今後いろいろ起きそうなことを予感させ、いい感じ。
モラハラ気味の元夫、セクハラ気味の上司、「友だち」という言葉を振りかざして説教をしてくる同僚など、彼女たちを取り巻く適度に腹が立つ人物たちも、実在しそうでリアリティがある。


そこまで2話目以降が楽しみ!というほどではないが、30分番組だし、録画してすき間時間に見るのにちょうどいいと思う。


▶木曜 23:00~ tvk ※地域によって放送曜日、時間が異なる
「ピーナッツバターサンドウィッチ」☆★(1.5)

 

「今日から俺は!」で好演していた伊藤健太郎が、若手女優とダブル主演するというから、チェック。が、第1話を見た限り、健太郎の無駄遣いなのでは…?という感が否めない。タイトルからして、青春胸キュンラブストーリーっぽいが、全然違った。現代日本の婚活女性を調査する公的組織が舞台で、その組織の名前が「ピーナッツバターサンドウィッチ」。

 

まぁ、健太郎が生き生きとかわいく活躍していれば、どんな物語でも問題ない。けれど、ほんとに主演なの?という扱いでびっくり。もう1人の主演・矢作穂香も気の毒な感じ。健太郎と矢作さんは、ピーナッツバターサンドウィッチの調査員なのだが、初回、彼らの出番はほぼなく、婚活中の4人の女性の恋愛事情を描くことに大半が占められていた。


交際中の男性が実は既婚者だとわかり失意のうちに別れた女性、彼氏はいるけどダメンズで結婚できそうにないため婚活を始めた女性、都合のいい女扱いされいつもセフレ止まりで彼女にはなれない女性、容姿が良くスペックも高いのにつまらない男にしかモテない女性…。
はいはい、そこらへんにうじゃじゃいそうだよね、こういう子たち…という4人の女性の会話を、健太郎も矢作さんも、盗み聞きしているだけなのだ。

 

次週予告を見ても、そのうち1人の恋愛が始まるらしいことしかわからず、え?これからずっとこんな感じなの?健太郎が活躍する場面はあるの?と不安になった。まさかね。そんなことないよね。怖いもの見たさで、次週もチラ見して、同じような感じだったらもういいかなぁ。


▶木曜 23:59~ 日本テレビ
「ギルティ~この恋は罪ですか?」☆★(1.5)

 

こちらもマンガが原作らしい。うん、なんかマンガっぽいなっていうベタな感じがすごかった。主人公(新川優愛)が落ち込んで真っ暗な部屋で膝を抱えているとか、職場の斜め前の席から嫉妬心丸出しの表情で同僚が主人公をにらみつけているとか、できた夫と評判の主人公の旦那(小池徹平)が、初見で「サイコパスだろ」と突っ込みたくなるような雰囲気を醸し出してるとか。


もうちょっとリアル感のある演出ができないのかしら…ってちょっと笑っちゃったけど、このくらいリアルからかけ離れている方が、現実逃避ができていいのかな?

 

子どもがほしいと思っている主人公と子どもはいらないという夫のすれ違い、実はその夫が主人公の友人と不倫中である(しかも、その友人は平気な顔して主人公の相談に乗っている)、忘れられない元カレに再会してときめく主人公、仕事ができてリア充の主人公に嫉妬する同僚…。
こんなにいろいろ不幸が巻き起こりますかね、っていうようなことが次々と湧くのも、すごくマンガっぽい。どちらかといえば昼ドラ向きなのでは。

 

あと、気になったのは、主人公の仕事のシーン。女性誌の編集者という役柄なのだが、現実を知っているだけあって、リアリティのなさにウケた。
撮影予定だったカフェが当日急にNGになるなんてことは、もしかしたらあるかもしれないけど、それを聞いたバイトくんが「近くに新しくできたレストランがいい感じですよ」って紹介するとか、ないって。お前、しがない学生バイトの分際でどんなグルメ通だよ。そして、急に今日貸切で撮影させてほしいなんてお願いに、レストランがすんなり応じる流れも全く現実的ではない。だってさ、今日の仕入れ、絶対もうしてるじゃん?

めでたく撮影ができ「なんとかなって良かったね」とか普通に言ってるけど、これ、そんな余裕の顔でほっとできるような、軽いハプニングじゃないぞ。心臓止まるくらいやばい、企画倒れになるくらいのやつだぞ。もっと疲労困憊してろ…みたいな。

 

まぁまぁ、いろいろ突っ込みどころ満載だが、サイコパス夫と友人の不倫がいつバレるのか、主人公も再会した元カレと不倫してしまうのか、この先の展開が気になるっちゃあ、なる。2話目からは録画して、1.3倍速くらいで見ようと思う。


▶土曜 23:30~ NHK総合
「いいね!光源氏くん」☆☆★(2.5)

 

伊藤沙莉演じる普通のOLの家に、平安時代からうっかり光源氏(千葉雄大)が迷い込み、同居生活が始まるという、すごい設定。ここまで現実離れした世界観なら、もはや清々しい。まぁ、そんなもんかと受け入れられてしまうのだから、不思議だ。


以前、ドラマ「この世界の片隅に」で、憎めない朗らかなキャラクターを演じていた伊藤沙莉ちゃん。決して美人ではないけれど、愛嬌があって、ハスキーな声が魅力的。ただビジュアルが良いだけの女優ではなく、こういう個性派をキャスティングするNHK、憎いね。きっと光源氏を演じるイケメン・千葉雄大とのバランスを、一番に考えたんだろうな。
例えば、同じ役を新木優子とか、本田翼とか、山本美月とかがやってしまったら、この突き抜けた設定の良さが半減してしまう気がするもの。

 

タイトルの「いいね!」は何だろうと思っていたのだけれど、1話目を見て、あぁ、なるほどと腑に落ちた。初めて「抹茶フロート」を飲んで、その美味しさにいたく感激し、いきなり大きな声で和歌を詠み始める光源氏。家に帰って沙莉ちゃんがスマホの使い方を教えて、詠んだ和歌をSNSに投稿するのだけれど、それに対して、「いいね!」がめちゃくちゃつくのである。
光源氏は何か感動することがあると、ところかまわず、反射的に和歌を詠んでしまうらしい。その姿に思わず笑ってしまう。
「いいね!っていうのは、まぁ、『いとをかし』ってことかな」と、光源氏に説明する沙莉ちゃんにもウケた。きっと、これからバンバン和歌を詠んで、「いいね!」をいっぱいもらうんだろうな。

 

他にも、烏帽子を被ったまま街を歩いたり、着物から洋服に着替えたらすごくかっこよかったり、くっついて街を歩くカップルに「あんなことしていいのか?」と驚いたり。現代に舞い降りてしまった光源氏が見せる、古代とのギャップがわかるシーンがおもしろい。
そしてそれらを「はいはい」「ウケる」と、軽く受け流す沙莉ちゃんがやっぱりすごく良くて、いい塩梅のコメディという印象。

 

で、これも30分で終わるのがいい。グダグダやるような内容じゃないってわかった上での30分番組なんだと思う。話の連続性もあまり気にしなくて良さそうだし、良い意味で深く考えずサクッと見ることができるドラマ。録画で毎週見るつもり。